2009年7月19日日曜日
高橋留美子作品で大好きなものを挙げろと言われたら、
(涼子と周平、宿丸とすず。画像はネットからだが問題が出た時は消します)
『炎トリッパー』はやはり外せないと思う。
よくある話かもしれない。オーソドックスな話かもしれない。
だけど傑作だと思う。はじめて読んだ時は「そうきたか!」とひざを叩いたものだ。
縁あって、さっき初めてOVA版を見た。
へぇぇぇ@@
きっちり原作に沿って、しかも細かい演出まで追加されている。
原作が短篇だけあって掌編だけど、しかしこれはGood。
ぜひ一度見る事をお勧めする。
なお、本作を犬夜叉の原型と考える人は多いと思う。特に犬夜叉が完結した今となっては確かにそのニュアンスが非常に強い。
ただ、だらだらと長く続いてしまい、単に「終わらせた」印象しかない犬夜叉と本作を比較するのはファンのひとりとして非常に遺憾である。
私は両方とも読んでいるが、小粒な作品とはいえ本作の印象の強さに比べ「グダグダ」のマイナスイメージが犬夜叉は強すぎる。
(私が子供の頃大好きだった少年漫画をある時代からさっぱり読まなくなったのも、テーマがお子様だからではない。ストーリーのないグダグダな作品が多すぎて、読むだけ時間の無駄と思えるようになったからだ)
できるならば、変な贅肉をそぎ落とした「正調・犬夜叉」を見てみたいと思う。
そしてその上で、本作と比較してみたいものである。
--------- (以下は、ネタバレなのでコメントです)
登録:
コメントの投稿 (Atom)
3 件のコメント:
本作で一番おもしろいのは、徹底したヒロイン一人称だと思う。女目線で見たタイムパラドックスものなのだ(注:タイムスリップものではない!ここ重要!)。これは意外に少ないし、またその描き方もオーソドックスでありながら一風変わっている。
タイムスリップが起きる原因など詳細が描かれる事は全くない。描いても意味がない。宿丸と涼子の抱える二重のパラドックスこそが重要なのだ。あの宿丸が実は現代のちびっこの周平で、涼子の方が戦国生まれであるという事。お互いがそれぞれ、相手の小さい時に共にいて可愛がっている運命の不思議。本作の面白さはそこにあり、読後に振り返って「ああ!」と思い当たる時に何とも羨ましく、そして優しいものを感じる。
ゆえに本作は傑作と言える。
私が一番好きなのは、人魚の森ですかね。われら顔面仲間(フェイシャルパック)とかも好きですが。
高橋留美子の作品は、短編の方がキレがあって好きです。単行本未収録作品とかあるようなのが悩みどころです(けも・こびるの日記とかもう一度読みたいなあ)。
ただ、人生を変えた作品だったら、めぞん一刻です。好きとかそういうレベルではなく、魂を揺さぶられた作品。あと、細野不二彦のあどりぶシネ倶楽部ですか。
どちらも変色して色が変わっても、大事に単行本を保存しています。響子さん好きじゃ~っ!
人魚の森もいいですね。
強いていうと続編というか後の方が少しだけグダグダ臭くなりかけているので、あれを読んだ時は「どこかで長編連載とかにならないことを祈る」と思ったものです。
グダグダも悪くないのだけど、短篇がいいという事については風来棒さんと同意見です。
個人的には、炎トリッパーと人魚の森は「後日のふたりの姿」を見たい作品ではあります。新展開とかではなく、他作品のどこかにちらっと出る形でも。
こういう場合、私ならタイムスリップものの話で「数百年前の遺物のはずなのにセーラー服!」なんてものを発見した主人公が長い研究の果て、時を遡ってその持ち主に会いにいく話とか書いてみたいのですが。
コメントを投稿