2009年7月22日水曜日

ふとした偶然で、りりかるなのは vs Fate考察サイトを見た。

ふとした偶然で、りりかるなのは vs Fate考察サイトを見た。

しかし、二次創作系でなくファンサイト系だったので、双方のファンが引き合いをするだけでまともな考察にはなってなかった。何しろその中でクロスSSについて言及されていても「そこは演出の面白さ優先で参考にならない」と切り捨てるありさまで^^;
いや、りりなの vs Fateなんて大地雷の組み合わせをする時点でナンセンスもいいとこなわけで、その組み合わせ方法は「落としどころをどこに置くか」でしかない。

うちに来る方はたぶん多くがご存知だと思うが、クロスSSのキモは「双方の世界をいかにすり合わせるか」である。ようするに、まともなクロスSSならば「世界のすり合わせ」をきっちりやっているはずなので、参考にならないどころか一例としてもの凄く参考になるはずなのだが。
だから、議論をするべくは「どうすり合わせるか」であって「なのは+セイバーでどっちが強いか」なんて末端のどうでもいいネタではないはずなのだが、まるでそんな話になってないのがちょっと笑えた。

んで、ちょっと私式にすりあわせてみる。

りりなの世界の「魔法」は、Fate世界では「魔術」にあたる。それも解説からすると「魔力自体を弾丸のように打ち出したりする」誠にシンプルな方式だというのがわかる。だがシンプルゆえにデバイスの方で増幅や制御も可能になっている。基盤をシンプルなままにとどめる代わりに、科学技術のひとつとして利用可能にしてあるわけだ。

対するFate世界では、そうはいかない。
Fate世界の魔術は、根源に至ろうとするための道である。便利な道具とは根本的に違うわけで、その内容は複雑で混沌としている。

両者がぶつかった結果は、うちのクロスの方式では以下のようになる。

・単純出力では間違いなく、りりなの側が圧倒的有利。
 これはもう比較もへちまもなく圧倒的に、りりなの側である。ただし以下の例外がある。

『編み上げられた魔術を防御できない』

なのはたちの防御魔術は、基本的に同タイプの無色の魔力を防御するものである。詠唱などを必要とする強力なものですら、基本的に集約や方向付けのためにそれを用いている事が多い。
また、なのはたちの「リンカーコア」とFateの「魔術回路」はあまりにも異質すぎる。成り立ちも動作も、肉体に与える影響もである。
これらの事から、Fate側で使われる「魔術」と、りりなの世界の「魔法」は根本的に異質のものと言える。
この場合、なのはたちのシールドはおそらく素通りしてしまうだろう。光を反射する鏡を用意したところに爆音が通過するようなもので、全く意味がない。
具体的には

「宝具による物理戦闘は防げる」
「士郎が投影した武器による攻撃も防げる」
「魔術により発生した落雷などは普通に物理シールドできる」
わけだが
「遠坂凛の五大元素の魔術は普通に効く」
「状態変化系は一切シールド不能」
「宝具の真名開放による攻撃には無防備と同じ」
「燕返しは普通に首ちょんぱ」
という事になる。
つまり、神秘を秘めたものや高度な魔術の類は基本的に防御不可能で、なのはたちと同タイプの魔力弾や、既に物理現象に帰した士郎の投影した武具による通常攻撃は、がっつり普通に防御できる。

また、半端に防御できるものは以下がわかりやすい。

「凛のガンドを受けても全く物理ダメージを受けない。ただし呪いは受け取ってしまう」
 なのはたちはシールドなしでも、ビルに叩きつけられても平気である。これはバトルジャケットによる防御と思われるが、これならガンドの物理ダメージは「あいたたたっ!」程度で終わってしまうと思われる。しかし、付随する呪いはノーガードで受け取ってしまうし、なのはたちの魔術では簡単に治療できない、ロストロギア系の専門家が必要になると思われる。

「ルールブレイカーはほとんど意味をなさない」
 だが、海千山千の神話時代の魔術師であるキャスターには全くマイナスにはならないだろう。というか、この厄介な妖女は、なのはたちには鬼門のようなものだと思う。

・Fate側からの攻撃は通る。だが……。

なのはたちの魔術がシンプルで対処の仕様がある、といってもやはりそのパワーは相当にデカい。それらをいかに排除しつつ攻撃するかになる。

「夜天の書は例外で要注意。しかし」
 元々の母体である夜天の書は元ロストロギアである。そのため、その積み上げた歴史が影響する可能性がある。シグナムたちはともかく、いくら一度破壊して作り直したといっても主であるはやてが直接戦う場合、神秘がついてFate側にダメージが出てしまうかもしれない。
 ただ、うちは基本的にA'sまでしか扱わないので、この例外は意味を持たない。設定として使う場合は留意が必要と思われる。

「サーヴァントにダメージを与える事ができない」
 なのはたちの攻撃は無色のものである。それがゆえに、神秘の塊であるサーヴァントを傷つける事はできない。マスターやその縁者はもちろんその限りではないのだが、なのはたちがそんな卑怯な手段をとるわけがないので、そちらの心配はいらない。
 もっとも、一部例外を除けばサーヴァントもそんな相手を敢えて攻撃しないだろう。
 繰り返すが、これも夜天は例外になるかもしれない。ただFate世界で戦う限り夜天の知名度は完全にゼロだし、ロストロギアとして積み上げた歴史の重みがどの程度かというのも客観的判断材料がない。使うなら要注意である。

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以上のデータを元に、軽くあらすじを考えてみる。

冬木の街にやってきてしまったなのはたちは、状況を把握し帰り道を探すためにデバイスを使う。(来てしまった原因は、半端に活動停止したまま調子の狂った大聖杯とアースラの次元移動機関の故障のせいである)
おかしな魔力に気づいた凛はその原因をつきとめる。見慣れぬ魔力を使う者に警戒した凛は、急いで防御魔術式を組み上げると、衛宮邸で合流して皆にそれを護符として配ろうとする。
(威力が異様にでかい魔術だが非常にシンプルな構造であり、強い神秘を用意すれば干渉はたやすい。もちろん大出力を跳ね返すとなるとそれはそれで大変だが、そんな面倒な事しなくても、曲げて受け流すだけなら護符で充分)
だが、新都でバイトしていた士郎は先になのはたちに出会ってしまう。
女の子が困っているのを放置するような士郎ではないので、もちろん彼らの相談に乗ろうとする。だが一部のメンバーが士郎が未知の魔導士である事に気づいた(士郎を信用せず、魔術で分析しようとして妙な反応を得た)ため威嚇攻撃を仕掛けてしまう。
だが、その魔術が強力だがシンプルなのに士郎は速攻気づいてしまい、夫婦剣を投影して弾いてしまった。確かに強力だが神秘をほとんど持たない無色の魔力をぶつけているだけなので、夫婦剣レベルの神秘と士郎の生半可な剣術でも充分に防げた。
しかしそれにより一時的に対立が起きてしまう。
さらにまずい事に、そこに凛とセイバーが到着してしまう。
士郎が攻撃されているのを見てしまったセイバーは完全に戦闘モードになっていたのだが、そもそもセイバーに威嚇程度の魔力など通じるわけもない。で「そんなおもちゃのような魔力は私には通じません。無駄弾になりますのでやめたほうがよろしいかと」なぁんて王様の貫禄で鼻で笑っちゃったからさぁ大変、かちんときたなのはが「じゃあ、これはどうかな」とレイジングハートを起動、バトルに突入する。

だが、このバトルは結局バトルにならなかった。
なのはの攻撃は確かにとんでもない威力だったが、それでもセイバーの防御は全く破れなかったからだ。それでも最後に一度だけ防御を破りかけたのだが、エクスカリバーをかざしただけで霧散してしまう。これではそもそも戦いにならないし、セイバーも「なのはとやら、ちょっとお待ちなさい。どうやら私たちの間では戦闘行為が成り立たないようです」と冷静に止めにかかるありさま。
「驚いたわね。ここまで根本的に異質な魔術なんて初めて見たわ。あなたたちどこから来たの?」
で、とにかく話をきこうという事になるのだった。

……まぁ、私が考えたらたぶんこうなるでしょう。
つまり「異質すぎてガチンコできない」というオチです ^^

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