久しぶりに聞いたけど、やっぱり胸に詰まるなぁ。
無印セラムンを思い出していて強烈に印象に残った言葉がある。40話。家族旅行で月野一家が湖に来た時のことだ。
衛の事を想い「こんなに近くにいるのに」とひっそり泣いているのを家族に見咎められたうさぎが「月が綺麗だから、見とれてたの……ね?綺麗すぎて目にしみるでしょう?」と誤魔化し、耐えられなくなる前に「月見でひとっ風呂浴びよっと♪」とごまかして家族の前から逃げ出してしまう。
この前後にあるいくつかの会話全てなんだけど、切ないシーンが連続するのである。
でも、何より悲しいのは、
「家族にすらも絶対に言えない」
事だとおもう。そのきつさ、切なさが伝わってくる。
おそらく、スポンサーが本来想定していた年代の女の子たちの中には「意味はわかるけどピンとこない」子もたくさんいたに違いない。悲しいシーンなのは理解できたろうけど。
(当時子供で今は見てないというあなた、無印40話です。これだけは見てみてほしい。涙腺弱い方なら泣けますよ)
私がセラムンをはじめて見たのは北海道で、早朝の再放送(本放送はSが始まった頃だった)だったんだけど、いつも寝ぼけまなこに珈琲すすりつつ目覚ましにセラムン見ていた私は、朝っぱらから見るには重すぎる悲恋のシーンに胸が締め付けられそうになったのを覚えている。
だけどこのシーン、さらに切なくなるのは家族の反応である。
両親も弟も、うさぎに何かが起きているのには気づいている。というかおそらくこの旅行自体うさぎのために企画されたものだろう。
彼らはうさぎがセーラームーンである事なぞ当然知らないわけなので、当然事情はわからない。タキシード仮面の事や、ましてや愛娘が泣いている原因が「生まれる前」の遠い遠い昔に愛を誓い合った男の事だなんて知るわけもない。さすがに母君だけは男の匂いをしっかり嗅ぎつけているようだが。
「わからないな女の子っていうのは。時々うさぎが別人のように見える」
困惑ぎみのお父さん。いや、あなた鋭いです。男親は不器用なもんなのですが、このお父さんはうさぎをよく見て理解してますよ。
前世の記憶がフィードバックして現世と混沌し始めるわ、命かけるほど愛した男が敵に洗脳されちゃってるわ、普通ありえないようなとんでもない経験ばかり連続しているんだから、もはや以前のうさぎと同じであるはずがない。元々があのおバカのお天気娘なものだから、事情を知らずとも急激すぎる変化に驚くのも無理はない。
いやでも、それにしてもいい家族だ。弟くんだって情けない姉貴を馬鹿にしたりしているけど、いつも過剰に元気印な姉さんの態度がおかしいって気づいて心配しているのがよくわかるし。
お母さんも立派だ。ほんのちょっと前までただのおバカ娘だった子が月を見て男を想い泣いたり、そいつに関係するらしいものを常に後生大事に手放さないのだ。ミドルティーンとはいえ元が元だけにその変化はどう考えても尋常じゃないわけで、さすがにこれは普通もの凄く心配だろう。どう見ても幸せな恋愛には見えないはずだから。
なのに、そこで抑えて「彼氏ができたら紹介してね」と言うにとどめている。なかばわざと子供っぽく甘えてくる娘の真意にもおそらく気づいているのだろう。それでもそれ以上は何も言わない。きちんと「紹介する」という約束さえとりつけてしまえば反故にするような娘ではないと信じているからだろうけど。
(実際うさぎは、その母の言葉に悲しげに頷き否定もしない。うんいつか紹介するねと言うだけだ。普通この年頃の女の子なら、彼氏がいても同意しない、または居ないと言い切るだろうに)
それにしても素晴らしい。基本的に昭和型の家庭だし、普通ここまで娘を信用しきれる親はあまりいないだろうに。
余談だけど、彼女たちの近未来を見たい気がするのですね。
うさぎと衛がくっつくのは決定としても、子供が生まれるのはまだだいぶ未来の事。その頃にまだ月野家があるかどうかもわからないけど、状況からして、プリンセスとして目覚めたり過去の記憶を取り戻した時点で彼女たちの老化は遅れはじめているはず。だって月の一族というのは本来聖書級以上の長寿の生命体のようだし。作中でも月に生まれた長寿の生命体だとクイーンによって解説されているし、そもそも、あのちびうさが900歳以上(!!)という仰天な話もあるし(Wikipedia見るまで知らなかったよ^^;) 。
他の戦士はともかく、ネオクイーンとキングになる事が確定しているふたりはおそらくほとんど停止するんだろうなぁ。たぶん銀水晶の力を浴びすぎたとかが原因だと思うが。
という事は、月野家の面々にはどこかで説明するか、あるいは姿を消さなくてはならなくなるのだが。
うさぎたちにそれができるんだろうか?ひとごとながら心配。
(それとも、私はスターズなど最後の方のシリーズを見てないが、こちらに記述があるのだろうか)
1 件のコメント:
補足。
原作まで全部網羅していないのであくまで推測入っているのですが、各所の記事から推測するに、以下の点が浮かび上がるのですね。
1. 銀水晶は月の王族の女性ひとりひとりに対応するもの。
つまり、うさぎたちを現代に転生させたのは先代クイーン自身の銀水晶であり、うさぎが入手した銀水晶は彼女自身の銀水晶である。また、同じ理由でうさぎは精神面だけでなく、おそらく肉体的にも月の王族の体質を持っている。(つまりプリンセスとして覚醒すればするほど長寿化していくのかもしれない)
2. 銀水晶には老化を止める効果がある?
原作の方をこのへん見てないのだが、未来においてうさぎが「銀水晶の力を使ったために不老不死になる」というくだりが見られる。
そもそも彼女は自分から不老不死を欲するとは思えない(ひとりぼっちだと寂しくて死んでしまうような性格だ)ので、これは銀水晶を使いすぎたための効果か、あるいは銀水晶を使うある種の術式をすると副作用として極度に長寿になってしまうかの、いずれかではないかと思われる。
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