まだ本決定ではないが、
近いうちに遅い夏休みで帰省するかもしれないので、ちょっと計画をたててみた。
メインテーマは一つ。「親父のラストを探る」である。
昭和が平成に変わる数ヶ月前、六月に父は世を去った。細かい事情はさておいて、それは病院でなくトンネルの坑口横の路肩。そして車の中だった。車が好きで車屋になり、そして車商売で失敗してとよくも悪くも車づくしの親父らしい最後と言えよう。
(まぁ、こんなお気楽な事が言えるのもその当時すでに上京していたからかもしれないが……)
さて、それはいい。問題は父がラストを迎えた場所である。
姉貴は地元の人に直接案内されて場所を覚えている。んで「寒風山の方の旧道のトンネル」だという。母はそれをまた聞きしてもっと単純に「寒風山トンネル」だという。
しかしである。いくつかの点で姉の言うトンネルは旧寒風山トンネルこと寒風山隧道ではないと思うのだ。
理由は以下による。
(姉の言う現場の描写)
Q1:だいぶ前から訪れているが、通行可能だった事はほとんどない。そして路面はグチャグチャで通れるとはとても思えない。入り口は柵で閉鎖されていたり、壊されたり、作り直されたりしているみたい。
Q2:地元でも有名な事故多発ポイントだった過去があり、心霊スポットにされた事がある。いや今もされているらしい。
まず、寒風山隧道は以下の点で姉の言と合わない。
1. 冬季閉鎖になるものの通行可能であるらしい。
2. 高知県側には(2004年らしきネットの記事を見たところ)立派なスノーシェードがとりつけられているようだ。これはロックシェードとしても機能しているようで、湧水がきつく路盤が落ちやすいこのあたりの土質にも立派に耐えている。
3. 心霊スポットの噂は寡聞(かぶん)にして聞かない。
とどめに、一度だけ過去、真冬に連れていってもらった事があるのだが……夏場とまったく様相が違う(現地は積雪があります)うえに土地勘もない僻地なので確証がないが、どうも違う気がする。路盤や坑口のいくつかの特徴が一致しない。
で、この近辺にある隧道で同様の構造(新道トンネルがあり、ほとんど開通せず荒れぎみ)というと少し高知県側に戻るが、大森隧道がこれにあたると思われる。しかも大森隧道は竣工直後の落盤(これはむしろ人災だが)など不気味なネタには事欠かず、心霊スポットとしても知る人ぞ知る名所(?)である。
それと、母がトンネルについて語っていた言葉によると……
まだ私がいないが姉がいた頃、家族でこのへんのトンネルを通っているらしい。新しいトンネルが事故で通れず旧道に迂回した、んだそうである。私がすごく小さいか赤子だったかと言ったように思うが、そのへんはもう本人もよく覚えてないらしい。
で、この旧道の二代目大森隧道は昭和35年の竣工後に大崩落を起こしていて、昭和30年代後半~40年代に、初代隧道(昭和10年竣工。延長306m、幅員約4m、高さ約4.5m) が迂回路として使用されていた。現在の新大森トンネルは昭和50年代の竣工なので、ここでいう新トンネルとは二代目の旧道・大森隧道がピタリ当てはまる。
(ただし、母の思い出が一致するからといって、それが父の最後の場所と一致するとは限らない。あくまで母の記憶上とヤマ勘である。
また、この旧道トンネルへの迂回は(たぶん母の記憶よりも後の再訪の時だろうが)実は私も記憶している。かなり小さい頃なのも確かだが、しかし昔すぎて私の記憶も母以上に曖昧ではある。狭いので信号機を置き片側交互通行していた。小さかった私は寝るかどうかしたはずだが、べらぼうな時間待たされたはずである)
どうだ。不安要素はあるものの、前後関係からしてとても大森隧道っぽいではないか。
このあたりの確認をしようとしたが、姉は典型的な女性ドライバーであって、技量はあるし道筋には興味があるが、そこが地図上のどこであるかなんて事にはまったく興味がないし、知らなくても問題とも思っていないし忙しい人間でもあるので、とても確定なんか頼めたものではない。
だから自分でやるしかないのだ。
ついでにまぁ、高知市内のちょっと面白い大正ものの隧道も二つばかりチェックしておこう。
予定は、以下の三つだ。
まぁ、予定は未定。まだ行けるかどうかすらわからないのだけど。
遅くなれば物理的に行けなくなるしね。
[寒風山隧道分岐点] 高知側からだと右に入る 高知県吾川郡いの町桑瀬
<http://maps.google.co.jp/maps?q=33.795504,133.289051&num=1&sll=33.495007,133.566746&sspn=0.002854,0.006899&gl=jp&ie=UTF8&ll=33.795554,133.305101&spn=0.022968,0.055189&z=14>
[大森隧道分岐点] ふたつ分岐があるが間違えるな。国道194号線
<http://maps.google.co.jp/maps?q=33.688007,133.327074&num=1&sll=33.795554,133.288708&sspn=0.022968,0.087891&gl=jp&ie=UTF8&ll=33.687925,133.335443&spn=0.011498,0.027595&z=15>
[孕隧道] 高知県高知市横浜1213 孕東の奥。ここはたぶん昔通っていてる
<http://maps.google.co.jp/maps?q=33.530065,133.560785&num=1&sll=33.530321,133.561073&sspn=0.00072,0.001725&gl=jp&ie=UTF8&ll=33.530212,133.560791&spn=0.00072,0.001725&z=19&iwloc=lyrftr:starred_items:101907768979563891003:,33.530085*,133.560582,33.530019,133.560791>
[中坂隧道] 浦戸大橋の袂。高知県高知市浦戸594。近くに行った時、親父が「めっちゃ狭いトンネルがある。オート三輪でもギリギリ」と言った記憶がある。おぼろげだが間違いないだろう。
<http://maps.google.co.jp/maps?q=33.495046,133.564716&num=1&sll=33.495007,133.564696&sspn=0.002854,0.010986&gl=jp&ie=UTF8&ll=33.495007,133.566746&spn=0.002854,0.006899&z=17>
あ、そうそう。
新寒風山トンネルは総延長5432m。一般国道の無料トンネルとしては日本最長?ってくらいの代物です。念のため。
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追記: 10/6
母からの追加情報。
母は知人の車に同乗して寒風山の方に時々行くらしく、最近の寒風山隧道の状態を知っていた。で、
・あそこは寒風山のトンネルではない(断言)
と断言。外見的特徴をきけば、なるほど寒風山隧道の特徴と一致。
だが同時に、
・旧道迂回などはたくさんあったので、どれがどれとか覚えてない
そうで、昔の細部は以前より曖昧になってしまっているようです。残念。
お年寄り同士のドライブというのは「好き者」だと結構あてになるものです。昭和中期のオブローディングっぽい話とかも改めて聞けてかなり面白かった。県道・町道まで入り込んだり古い貯水池ダムを見に行ったりと、なかなかどうして物見遊山に拍車かかってます。ドライバーが男性の場合、かなりの高率で地図でもパッとさしてくれますし。
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