2010年5月16日日曜日

高い声に向かうために低い声に向かう

「高い声に向かうために低い声に向かう」

 矛盾しまくったエントリ名に見えるかもしれないけど、昨日とった方針はこう。「津軽海峡冬景色」とか裏声で歌ってみたり、トエトを1オクターヴ下げてみたり。そして録音もしてみてあれこれ耳でチェックもしてみた。

 なんでって?では簡単に説明する。
 裏声の練習をはじめて気づいたのだけど、声が安定しないのはふたつの理由がある。しかしその最大のものは「普段裏声なんて使わないから制御方法がそもそも確立してない」というのもあると思う。簡単に言えば「出し方を体が覚えていない」わけで、ここはしつこく、しつこく反復練習するしかなかろうというところ。

 だいたい、歌っている最中は歌に集中したいでしょう?ならば音程の制御なんてものを意識してやってるうちはダメで、こういうのは体に染み込ませないと実用にはならない。これは推測でなく実体験で、弾き語りながら歌おうとしたけど無理だった。裏声の制御を頭でやってるからだ。人間の頭は一度に複数の事をできるが、両方に魂を入れる事はできないのだと思う。

 不安定なのもそうだ。
 あなたがカラオケ好きの男性でなおかつ「メモリーグラス」を堀江純ばりに歌えるとしたら、あなたはたぶん未意識にミックスボイスを使っていると思う。が、同じ声でオペラに出てくる歌を低音でやれと言われて歌えるだろうか?たぶんできない。なぜか?オペラのその曲を知っていたとしても、あのメモリーグラス声で低音を出すという事をやった事がないからだ。じゃあどうすればいいかというと、あの「メモリーグラス声」が発声法のひとつである事を理解して、それで低音を出したりすればいい。メモリーグラスの練習をした時と同じ時間をかければ可能だろう。だって「既にその声は半分あなたのもの」なのだから。

 懐かしいロングトーン練習を復活。昔ブラスバンドや合唱部でやったなぁ。思わずにやにやしつつ練習。

 おっと、小学校から高校までの校歌もプラスしておこう。童謡とどうように(^^;)古い校歌は歌いやすいものだ。もちろん児童生徒が歌いやすいようにそうなってるんだけどね。忘れてる歌詞をちょっと調べよう。

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追伸補足(2010/05/17)

 上のままだとロングトーンなど基本練習の必要性はわかっても「どうして高い声を出すのに低い声をやるのか」という疑問の答えになってない。少し補足しておく。
通常の男性にとり地声(チェストボイス)、つまり普段の声は上が出しにくいが、裏声(ファルセット)では逆に下が出しづらいと思う。だがこれは(あくまでここは私の個人的な経験からの推測だが)単に「使ってないから」だと思う。そう、普通の人は、地声でもちゃんと出る音域でわざわざ裏声を使わないのである。
 あとはもうおわかりだと思います。使ってないから使いにくい、ならば慣れるまで使ってみればいいのです。実際この「下を出してみる」事で安定化の感触を得ていますので、このまま進めてみます。

 ん、もう少し補足。
 さて、ではそもそも裏声がなぜあるか知ってますか?
 高い声を出すと声帯に負担がかかります。このため無理に高音を出そうとする、または声帯に無理をかけて疲労させると、思わぬところで急に声が裏返ります。そう、つまり裏声とは喉を守ろうとする肉体の防衛機能なのです。どうして裏返るかというと声帯を肉体の方で閉鎖し、最低限の振動で声を出そうとしてしまうからです。(さらにひどくなると非常に発声しにくくなり、さらに強引に声を出していると喉を壊します…。)

 逆にいうと、この防衛機構を知った上でうまく利用できます。つまり裏声やハーフ・ミックスなどと言われる技法はこの上に成立しているんだそうです。つまり、意図的にこの声帯の開閉をコントロールすることで、さまざまな声を演出することが可能になっているそうです。

 

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