2010年3月28日日曜日

『se・きらら』望美シナリオの感想

望美シナリオを今朝クリアしました。
感想です。

とりあえず、ネタバレ注意。

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彼女は純粋にして無垢。しかしそれは単機能デバイスがゆえの無垢とも言える。他の一切を持たないからこそ彼女は無垢であり純粋であり──そして悲しい
 
まず最初にひとこと。
狙いすぎです。いろんな要素を詰め込みすぎたごった煮です。
特に昭和ネタ突っ込みすぎはどうかと思う。今の子たちは意味不明だし、昔の子たちは「肝心なシーンで混ぜっ返しまくり」でためいきをつく事になります。

人外属性なのは最初から気づいてました。まぁフラグ的にあからさまですし、おそらく主人公級のにぶちん以外はみんな気づいたでしょう。私は強烈な「ヲタ狙い臭」ゆえに避けたのですが、人外属性、不思議ちゃん趣味、うすい・ひくい・かるい好き、昭和ネタパロディ好きもろもろまとめて引き受ける感じなので、そのままこの子に突撃した人もきっと多いかと思います。
攻略は真奈もそうだけど簡単です。攻略資料などいらないくらいです。
がんばれ。

以下は純粋な感想。
ただしちょっとアヴァンギャルドすぎというか、コテコテすぎです。ヲタ狙い全開って分かりすぎるほどに「あなたのためだけの存在」をここまで強調しすぎなのです。しかも「何故か周囲とはさっくりうまく行きまくる」というお約束ぶり。どちらか一方だけとろうという選択肢はないのか?「何かを得れば何かを失う」という選択肢が本シナリオにはあまり見られません。重要部分には確かに存在するのですが、当人たちにとってはあまり意味がない程度の損失でしかないのですから、あまり意味があるようには思えない。月姫のアルクェイドシナリオや先輩シナリオのグッドエンド以上の「なんじゃそりゃー!」的お約束。
異類婚姻譚専門の小説サイト運営経験者としては、とてもとてもとてもとても異議を出したい!

とりあえず、シナリオ単体では落第点だと思います。
ただ真奈とのつながりは、初回に真奈解いた人間としては嬉しかった。
あと未プレイだけどたぶん先生の方にもつながりがあるようなので、導入口として面白いかもしれないです。
個人的には攻略不可とか、攻略できるけど非エロ系の特殊シナリオ突入、みたいな取扱いの方が面白かったような気がするなぁ。
あと主人公、事情もわからないのにすきな相手を否定すんなよ。存在異議のあたりで非常にムカムカしました。真奈シナリオではむしろ良い方向に働いていた面が本シナリオではことごとくマイナスに働いていました。「咲さえいれば何もいらない」という望美の存在異議は「ひとりの人格」として考えれば非常に歪なわけで、その要素は単体ルートに入った直後からあからさまに見え隠れしていた。だからこそ彼女を選ぶなら主人公は自分本位でない味方をとるべきではないか、と考えるのです。
ていうか……たぶん私なら、望美の行動を肯定したうえで共犯または幇助者として共にいる道を選んだと思うのだが。少なくとも彼女を否定はしないと思う。
ここいらへんは「若さ」なのかな?ふと自分の歳を考えてしまった瞬間だった。

さて、続けよう。

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追伸(3/29): 優ルート(バッドエンド)の伏線をみつけた ^^;;;
 se・きららでは誰のルートかで微妙にイベントの経過と時間軸が変わるらしい。たとえば、とあるルートでは泉ねえちゃんのお祖母さんが体調を崩すんだが泉ルートでは亡くなってしまうという感じだ。もちろんそれはストーリー自体のメインストリームには影響ないのだけど、それがたとえば、優ルートの途中で「おばあさまが体調を崩してまっすぐ帰宅している」という泉姉ちゃんとの会話や立場として現れるわけだ。
 で、こういう「メインストリーム外のイベント」のひとつに優の弟、愛が体調を崩すというのがあるんだけど、
「愛がパジャマ姿の時には行きたくない。何か求めるような目をするんだよな」
 ここまでにぶちんの主人公が身震いするほどやばい気配を感じているんだよな……これはやばいでしょう(大汗)。ていうか、望美ルートやってた時はこのモノローグに気づかなかったが、改めてみるとこういう伏線があちこちにあるぞ ^^;
 se・きらら、結構奥が深そうだ。

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