2010年3月31日水曜日

『se・きらら』たぶん最終攻略しちゃったのでその感想。

一度中断した『se・きらら』ですが、世界の謎の方が気になったのでオートで流しつつデータだけとっていました。
もちろん Debian squeeze 上でです。
んで、気がついたらオールクリアできたっぽいので残りの感想書きます。

[システム側追記]

wine上で実行時、以下に留意する必要があるのを忘れていました。
ゲームスタートからプレイする場合、序盤のムービー再生でコケる事がありえます。
不幸にもこれが再現してしまったら、ここだけは何らかの方法で回避してください。
序盤のムービーまでのみWindowsでプレイするのもありです。
(savedataディレクトリごとwine側にコピーすればそのまま動きます)
もちろんですが、メーカーに問い合わせるのはやめてください。wineや仮想環境での動作は保証外だと思います。

[シナリオ側追記]

ネタバレ改行入ります。

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クリア順は最終的に以下のようになりました。

真奈→望美→優→亜矢→泉→り・se・きらら

なお個人的事情により亜矢ルートと優ルートは感想がきっちり書けるほどシナリオとして楽しんでいません。逆に最も没入したのは真奈、望美、泉、そしてラストです。


1. 亜矢ルート感想

 すみません感想書けません。彼女のシナリオは大部分オートでぶっ飛ばしてしまったからです。いずれリプレイするかも。

2. 泉ルート感想

ふたりを巻き込みたくなかった。なのに……

 神社の娘という時点で想定した通りのルートになったのが有難かった。入り口でちょっときっつい流れがありますが、私のようにここで折れたりしないで進んでください。
 コンセプト的には「ああ、やっぱり泉姉ちゃんは優と対なんだな」と感じました。優と泉姉ちゃんの立ち位置の違いがシナリオ内容に大きな違い(すげえ大きいですが^^;)を生んじゃっているんですが、基本的に両者のシナリオはほとんど変わらないです。
 詳しくはまぁ、本編でお楽しみください XD それがいいと思う。

 ただひとつだけ。あなたが優好きなら、泉ルートを先にやるべきのようです。
 優・泉・咲の「とっても微妙なとらいあんぐるハート状態」がどうして生まれたかの理由が本シナリオでわかりますが、それをわきまえた上で泉を選ぶという事は意図的に優をふるという事です。小さな頃から綿々と積み上げてきた「ずっとこのままでいたかった日々」を自分からぶっ壊さなくちゃならないのです。
 あなたが優好きなら、とても悲しい。本当に胸の痛い想いをする事になります。だから本ルートをやられるなら優ルートより前にすべきです。
 ……辛かったよ orz

 まぁ、そういう悲しい部分を脇に置いとくと、うちのサイト的に素晴らしい優が見られるという点ではとてもとても美味しいです。そこいらへんの展開が素敵というか「おいおいおまえら優のフォロー忘れてるぞ、いくらなんでもそろそろまずいってかうわそのシルエットキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!な感じに。いやぁ素晴らしい XD

 もちろんですが「とらいあんぐるハート」という言葉はワザと使っています。よそのゲーム名ではありますが、本作の泉・優・咲の立ち位置はどうしても同作の唯子、小鳥、真一郎の関係を思い出させます。同作の方では作品タイトルとは裏腹に三角関係に関するネタは一部ルートと没シナリオに痕跡があるだけで一切消去されちゃっていますが、こちらの泉シナリオではあからさまに「三人が今の関係になっていった理由」が語られますし、その関係が壊れていく過程、そして「三人でワンセット」だった時代の終わりを真っ正面から描くという実に手応えのある内容となっています。
 悪い言い方をすると、都築氏がケツまくって絶対書かない分野を真っ正面から、しかもきちんとまとめていると言えます。正直素晴らしいと思います。


3. 最終ルート(り・se・きらら)感想

 本ルートは存在を知りませんでした。たまたまプレイ再開して泉ルートが終わり「世界の謎が解けてない…」と嘆きつつ開始画面に戻って目が点になりました。
 おそらく賛否があるでしょう。特に萌えゲーヲタの人は圧倒的に全否定と思われます。
 個人的には、事前に強烈に多世界解釈系の匂いがしていたので問題ないと思う。特に望美シナリオでの望美とあんこ先生のイベントは強烈にあからさまですよね。あれと、最初にプレイした真奈シナリオからも延々と繰り返され続けてきた花のイメージ。このふたつをもって「たぶん腐り姫みたいな構造じゃないのかな」と個人的に思っていたので、本シナリオの展開自体は「ああやっぱり」に近いものがありました。

 最終ルートというのは私の勝手な命名なんですが、理由はこれがメタな多世界解釈ルートであり、これまでの全ルートに対する盛大なちゃぶ台返しが存在し、なおかつ全ストーリーのグランドフィナーレになっているからです。あんこ先生や望美の謎の行動や、主人公自体の謎も「ほとんど」ここで解けますが、多世界解釈系とかが嫌いな人間や「理屈なんかどうでもいいから萌えたい人」にとっては根暗な蛇足ルートでしかないでしょう(もっともそういう人だと真奈ルートなどもダメでしょうが)。個人的には、悲しいラストかもしれないが、これはこれでアリだと思います。事実上の完全終息に近い終わり方であって二次創作が事実上不可能に近い構造なのがもったいないですが。

 ただ、最後のアレはちょっと望美が可哀想だった。シナリオライターさん、ちょっとあれはむごいですよ。
 私はてっきり、全ヒロインの中で望美だけ流動的に移動する存在となる可能性を想像していたのですが、さすがにそれは虫がよすぎたらしい。
 けど最後に望美の悲しそうな顔でもらい泣きしてしまいました。できればあの子にだけは、小さな救いがあって欲しかった。心からそう思います。

(wine / Debian squeezeでゼロから動作させました)


[余談・ヒロイン談ほか]

 シナリオ派の私にはあまり意味がないっちゃないっていうか本作のヒロインは皆魅力的すぎて甲乙つけられません。ただ本作はヒロインの方が積極的に主人公をゲットにかかるケースが多いので、古典的ギャルゲヒロイン的に押しの弱いタイプは不利でしょう。(男主人公が「童貞奪われた…」と嘆くエロゲなんて、もともとそういう趣向の作品以外で見たのはたぶん初めてだと思う。いや、腹くくった女の子の方が積極的というのは今風でいいんですが)
 微妙な三角関係を延々続けていてそれが揺らぐと大惨事になりがちの泉と優、暴走機関車型で走り出すと手がつけられない亜矢と真奈。立場が特殊だがある意味普通にエロゲヒロインなのかもしれない望美とあんこ先生。
 うむ。どれがいいと言われると微妙だ。シナリオは真奈が好きだし望美は某オルタの社霞のように特別だし。優が秘めている狂愛系の一面は個人的にものすごくツボだし。
 うむうむ。

 改めてネットを見ると批判的な声が多いなぁ、特に最終シナリオ。
 けど「なんの予告もなしに突然に鬱展開」と書いてる人については「いや、充分色々と匂わされていたと思うが」と言いたいです。望美シナリオを初期にやった人はもちろんですが、他のシナリオでも、あれだけ不自然に同じ花のイメージが繰り返されるの気にならなかったんですか?ゲームセンターの中や真奈のギターケースにすら同じ花のデザインが存在するんですが。花自体がメーカーロゴでそれを宣伝しているだけ、というのならリーフのクマみたいなもんで不思議じゃないんだけど、そうでないのなら「何か意味あるのね」と思いませんかね?私は最初が真奈、次が望美だったんで「なるほど、何かそういう世界観が背後にあるのね」と素直に解釈していたんですが。
 
 いや「今どきのエロゲでそういう展開はやらないよ」というのなら私の言うべき事は何もないのですが。

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