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Taika Yamaniさんの傑作TSF小説のひとつ『Boy's Emotion』。性転換病という奇病が存在するユニークな世界観で描かれているこの作品には、望まず少年から少女になってしまったヒロイン、穂積貴子が自分の音域について確認するシーンが出てくる。このあたりがとても興味深かったので考察してみたい。
(本作はちょっとアクが強いですが、とても面白いです。TS属性をもち同時に同性愛OKってひとじゃないときついかもですが、個人的にはおすすめの一作です)
(引用)
一オクターブ声を低くしてみた時は、喉が痛くなりかけた。
逆に、高くする分には楽に一オクターブ上の声が出せた。が、もう一オクターブ上まで無理なく出せそうだったが、そんな声が出ても全然嬉しくない。
地声で歌える曲であっても、歌う時にはがらりと声音が変わるタイプの人もいるが、貴子はあまり変化しないタイプらしく、地声と歌声ほとんど差はなかった。
(引用おわり)
自分の音域の限界に挑むような発声の場合、力むのは厳禁であって貴子のこれは明らかにまずい。続けたら喉を潰してしまうだろうから、やめたのは正解であろう。
現実でも性転換女性の場合、無意識に声を下げて会話している事が多いそうだ。これは「今までの声と違ってしまっている」事に対する無意識の対処なのだが、当然ながら「望まずして女性になってしまった」貴子の場合も無意識に声をかなり下げて発音しているはずである。
だから、下げて歌おうとしてもほとんど不可能のはずである。声楽をやったりして意図的な低音の出し方を学んでいない限り、少なくとも「貴子の視点での」低音の発音は不可能だと思われる。
貴子の声はクールではあるが基本的に華奢で可憐な声らしい。ここまでの文面と設定を見て、常にミドルボイスで会話するタイプなのかなと思うが、貴子の状態からして考えにくいと思う。元々華奢な声のひとがミドルボイスで会話すると、ややもするとアニメ声に類する甲高い声になりがちだが、それは貴子の望む声と真逆だろうからだ。
が、それがないので、貴子が出そうとした歌声は通常のチェストボイスと推測する。
だけど、だとすると(無意識にミドル混じってるかもだが)地声で2オクターヴ越えしている事になる。たぶん鍛えると本当に素晴らしい美声になるだろう。ここまでの喉が欲しくないなんて……ボイトレしてる人間としては「その声くれ〜orz」と言いたい。でもまぁ現実ってそんなものなんでしょう。
ほのかの方が貴子の秘めた原石に気づいてあげられればいいんだけど……そういう方向性はあまり興味なさそうだなぁ二人とも。
もったいねえ……。
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