2010年6月1日火曜日

[声の話の続き] 変声期のきてない、あるいはあまり変わってない成人男性

こういう人もある程度の確率でいるようです。ネットでも時々それらしい歌い手が現れます。
男性の声変わりは第二次性徴のひとつなわけですが、人間男性の500人にひとりはクラインフェルター症候群(遺伝子がXYでなくXXYとかになっている)なわけで、これらの人の中にある程度の確率で、声変わりが遅れたり、あまり声が変わらないという人がいるのではないかと私は想像しています。ようするにヒゲが薄い、妙に中性的なんてのと同じ現象という事です。

「そんなの見た事も聞いた事もねーよ」でしょうね。けど声の場合、それにはひとつの理由もあります。

男性の場合、いつまでも声が高いままだと浮いちゃったりします。また、声楽やる人からすれば少年の声のままというのは貴重である意味羨望の対象なんですが、大抵の場合本人はそれを嫌がってます。
(ニコニコ動画の有名な歌い手の方に実例がいます。どうやら声変わりがきてないようですがその事をご本人はとても気にされているのですね。その事について羨望の声を向けられると、ご本人との温度差が素人目にもありありとわかります(汗))

で、こういう方は普段どうやら無意識にトーンをむりやり下げて会話しているようなんですね。だから、ただでさえ確率の低い「少年声のままの男性」はほとんど耳に触れる事がないのです。
それに、もしかしたら本人すらも下げているのに気づいてなかったり忘れているケースもあると思います。声ってわりとそんなもので、無理やり作った声でも毎日使っていると順応してしまい、それが当人にとっての自然な声として定着しちゃったりするのです。

しかしこの場合、気づかないのが幸せなんでしょうかね?
私としては、本来持っている能力を使わずに終わるのは不幸だと思います。ですが幸せなんてのは主観的なものですから、本人がそれを望まないならば……とも思います。

芸は身を助けると言いますが、突出した能力や技能を持つ事が必ずしも幸せとは限らない、というのも事実ですし。

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