2009年6月28日日曜日

[ドラゴンボール] 魔人ブウとミスター・サタンの話

私はDBをピッコロ編までしかリアルタイムの連載では見てなかった。だからブウ編を見たのは本当に最近なのだ。
だけど、鳥山氏がミスター・サタン好きというのもよくわかった。

本来DBは明らかにギャグ漫画の要素を持っていた。いい例が一番最初のシリーズ全13話で、リメイクでZが選ばれたのは正直、鳥山好きとしては遺憾の極みである。
そも、魔ジュニア編で本来DBは終わるべきだったんだと思う。
でもまぁ、それはそれとしてサタンとブウの話である。

 サタンは『普通の人間としては』かなりの達人である。単に悟空たちが人外なので弱く見えているだけで、彼は栄光と賞賛が大好きなだけのヒーロー願望もちのおじさんであり、チャンピオンを名乗れるだけの力も持っていた。あくまで普通の人間レベルではあるが。
 そして何より、おそろしく正義感が強い。
 そんな彼の活躍はなんといっても魔人ブウ編で最大限に発揮される。

 単刀直入にいって、彼ごときがブウ相手に何かできるわけがない。そもそも彼はかつてのピラフ一味相手に大立ち回りができる程度の実力であり(それでも十分すごいと思うが)、ブウに向かっても明らかに自殺行為。
 だけど彼はやってきた。

 なぜか?簡単だろう。彼はブウを悪と認定し、敵わないと知りながら看過できなかったからだ。まわりの期待ももちろんあるだろうけど、それは他の者を追い払い一人で立ち向かった後の場面にも伺える。実力でかなうわけがないからと様々な武器や爆弾を用意するのだが、実際にブウに相対するにつけ、何か違うと気づくのだ。
 違う、こいつは悪ではない。サタンはすぐそれに気づくことになった。
 彼はバカかもしれないがそういう識別眼は本物だった。実はブウが子供のように無垢なだけだと気づいたサタンは、どうして殺すのかとブウに尋ねる。ひとつ機嫌を損ねたら自分なぞいつ殺されてもおかしくないというのに、どうしてもサタンは知りたかったのだろう。子犬をかわいがるというより、一緒になって遊んでいるに等しいこの無垢な「なにか」が、どうして殺戮をするのか?何か重大な間違いがそこにあるんじゃないかと。
 そして、そのサタンの疑問の正しさはすぐに実証される事になる。
 得られた答えは、半分は予想の斜め上、そして半分は予想通りだったろう。
 ブウ編でサタンは重大な役目を果たす。なんの力もない彼だが、彼がなくては勝利はありえなかった。彼は素晴らしい友達と、そして人類の英雄としての立場を固めることになる。

いやぁ、それにしてもいいコンビだ。
鳥山さんはもうこの頃には「猛血虎(もうけっこう)」だったのかもしれないが、とりあえずこの二人の存在がある事から、ブウ編は面白かったと思うのだ。
(途中の戦闘場面は正直ウザかったのであるが)

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