2009年4月1日水曜日

軽よ、もう大きくなるな。

いつもいつも思う事なんだが。
『欧米』という言葉がよくない。なぜヨーロッパとアメリカを一緒にする?全然歴史も事情も違うのだから、いいかげんやめたほうがいいと思うんだ。

たとえば自動車市場。
欧米には軽自動車なんて存在しないと日本の一部政治家が吠えているが、これは真っ赤な嘘である。欧州には(国によって違うが)軽自動車規格が存在し、また非常によく売れている。ただし今の日本の軽自動車では欧州用には大きすぎて使いものにならないのでコンパクトカーの枠組みにもっていくしかないわけで、だから今の日本の軽自動車はコペンみたいな付加価値の高い車以外はあまり輸出されていない。

で、なんでこんな大間違いが平然とまかり通るのかというと、日本の政治家はアメリカしか見てない、あるいは知らないのである。それをもって欧米と称するからこうなるのだ。アメリカは確かに短期ベンチャー以外、こういうクルマはあまりないからね。
 またまずい事に、ドイツなどはアメリカに近い道路事情である。だからアウトバーンのイメージもあり、欧州も同じだと勘違いする知識人が多いのも事実のようだ。
 ふざけんなと言いたい。

 EUの主要都市では現在電気自動車しか入れないところもある。また、たとえばパリで日本でいう33ナンバー級のベンツなんか止めようとしたら駐車場がみつからなくて大変なことになるという。海外在住者の掲示板でその手の相談を見たことがあるが「そんなデカ物、苦労するだけだよ。たぶん最後はホテルに置きっぱになる」なんて会話がなされていた。そんなでっかい車を入れる余裕は欧州の古い町にはないし、また入れる気も全然ないってことなんだろう。
 逆にいうと、360や550の軽規格から始まり、今も生きる軽自動車市場と経験をもつ日本企業が入り込める余地も当然あるはずだ。日本と欧州で同じ軽自動車を売るのはちょっと規格上難しいかもしれないが。

 でも試してほしいなぁと思ったりもする。
 なぜか?
 僕自身が、今の日本の軽の巨大化にうんざりしているからだ。小さくて小回りのきく小粋なクルマ。それが軽というクルマなんだと信じているからである。僕の知り合いもみんな言ってる。「最近、軽ってやたらバカみたいにでかいじゃん。あんなの乗るくらいなら普通車の方がよくねえ?」
 まったく同意。

 もう巨大化するな、軽。お願いだから。

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